生ハチミツの取り扱い説明書
生はちみつって何?と思われる方もいらっしゃると思います。その記載には特に定められたルールがないと考えております。春日部の蜂蜜の考える生はちみつについて、今回は書きたいと思います。
生はちみつとは?
特に「生はちみつ」とは食品として定められた表記ではありません。何の蜜か?絞り方は?加工は?この3点についての明確な記載がありません。ですので、春日部の蜂蜜では加熱処理を行わないため「生はちみつ」と言っています。
蜂蜜と加熱
加熱(45度以上)は効率をあげるためのものです。春日部の蜂蜜では加熱をしませんが、どこで加熱をするかは製品ごとにことなります。作業的に「蜜蓋を切る」「ろ過」「工場での瓶詰め」「結晶化」この4点のネガティブを消すために加熱は非常に有効です。
【蜜蓋を切る作業】ミツバチは巣にためた蜜の糖度が上がる(熟成と私たちは呼んでいます)と蜜蓋と呼ばれる蓋を蜜にしますが、この蜜蓋切りは巣の板ごとに出っ張り方なども違い均一化されにくいため手作業で切り落とします。この切り落としの時間が非常にかかります。この切落し作業と絞り作業を早くするためには、蜜蓋がないまま絞ります。糖度の低い蜜は粘度も低いため絞り時間もかなり短縮されます。このままでは糖度が足りませんので、加熱で水分を飛ばします。【ろ過】絞った蜜をフィルターにかけますが、このフィルター通過時間が全く異なります。【瓶づめ】養蜂場で最初に使う漉し器程度では、工場は器械にはちみつを通さないはずです。これではまだ砂や巣のかけらなど、まだ細かく小さなゴミがあるのが事実です。更に細かいフィルター(例えば油を濾す綿を圧縮した様なもの)を通すためには一度加熱をしなければなりません。【結晶化】はちみつの大半を占めるブドウ糖と果糖は、それぞれ飽和量が異なり水に溶けきれないブドウ糖が結晶になります。花粉を核に結晶化することもあるため花粉を除去する際は、かなりフィルターが細かくなります。また高温にすることで結晶化しにくくなると思います。
まとめると、作業時間を短縮し、結晶化しにくく安定した製品にするために高温処理は必須ということになります。
結晶化は天然の証ということはありません。どうしても加熱処理がなければ結晶化は避けられないと考えています。
いつも疑問なのですが、ブドウ糖の結晶化現象と天然に何の関係があるのかとても疑問です。結晶化するはちみちは、天然である可能性が高いとは思います。結晶化しても湯煎などで、またはちみつは液状に戻ります。できれば結晶化も含めて生はちみつを受け入れていただきたいと思います。